臨床医1-3年目までの収入をまる裸で徹底解説!

皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
新型コロナに負けずに将来の夢へと勉強に励んでいる方も多いかと思います。夢を追いかけるのも大切ですが、ここで少し現実的な話を聞いておくのも悪くないかと思います。

「獣医さんになれば将来安泰?!」

今回のコラムは、獣医師として臨床医・研究者・個人事業主と3つの分野でご活躍されている長谷川諒先生に「獣医師とお金」についてお伺いしてみました!

獣医師は高給とり?

 自分もそんな幻想を学生時代は抱いていました。しかし、一部のメディアでよく見かけるような有名な先生や、地域で信頼されている病院の先生などを除き基本的に獣医師はそこまで年収が高い職種ではありません。
今から社会に出て行く学生さんにはなかなか酷な話になりますが、高い学費を払い6年も大学に通い、その上で国家試験に合格しないとなれない専門職なのに…と思う方も多いかと思います。

そんな獣医師の仕事は様々で、動物病院・公務員・企業などどこで働くかによって仕事内容も給与体系も全く違ってきます

小動物臨床医と収入

 動物病院で働く勤務医の場合、病院によって給与や賞与、各種手当などがかなり違い、地域によっても変わってきます。基本的には経験年数を重ねると給料が上がって行く病院が多いですが、長く勤めても一定額で頭打ちになってしまったり、業績によって賞与がカットされてしまう病院もあります。また、退職金が設定されている病院も現状ではまだまだ少ないです。一方で、独立して自分で動物病院を開業する場合、建物・医療機器・設備などに資金が必要となるだけではなく、獣医師が自分1人だと休みなしで働き続けなければなりません。

 ですが、その地域で信頼され人気の病院にすることができれば利益がそのまま自分の収入となり、年収1,000万円以上ということも可能なようです。最近では勤務医でも大病院で長く勤めると年収1,000万円以上というところもあり、働く場所によって収入に差がかなりある職業とも言えます。臨床現場は勤務時間が長く、時間も不変則であることがほとんどです。拘束時間・給与・待遇が見合わないと感じ、早々に転職する獣医さんも少なくないので、年収だけでどちらがいいと判断せずに自分の生き方と向き合って決めて行くのが一番ですね

では自分の場合はどうか?
自分は埼玉県内の、いわゆる地域に根ざしている一次病院で勤務医をしています。勤務医のみの年収は

・1年目:350万円
・2年目:370万円
・3年目:390万円
・4年目:420万円

といった具合で、保険制度完備・年2回の賞与と毎年昇給がある病院でした。勤務は 8時30分から19時30分までと、途中休憩があり勤務自体は8時間であるものの拘束時間は11時間と、一般的な職種と比べてもやはり長いです。
これを時給換算してみると…

一方で、拘束時間で計算してみると…

この数字を見ての感想は分かれると思いますが、実際に働いてみると割に合わないと感じる人は少なくないのかなと思います。

動物病院で働く新卒勤務医の平均年収は、約350万円と言われていますが。病院によってはそれよりも低く保険制度が整っていないような病院もあるので、就職を決めるときは給与・賞与・福利厚生などの待遇面を、入社する前にしっかりと確認することが大切です

獣医師の出費

 臨床で働く獣医師特有の支出として、やはり仕事で必要となる知識や技術を習得するための勉強にお金がかかります。特に新卒のうちは、実際の症例は教科書的なものばかりではないので、経験不足を補うためかなり勉強に時間とお金が必要になります。セミナーも1回3,000円程度のものから数万円するものまであり、実習を伴うものになれば数十万円するものもあります。

(例)
 ・JBVP レクチャーシリーズ :    3,000円/回
 ・Interzoo いろはシリーズ  :  16,000円/回
 ・Interzoo エコー検査実習  :190,000円/回

病院によってはそういった費用を出してくれるところもありますが、そうでない場合は自分の休日に自己負担で行くことになります。また、自分の専攻したい分野の学会の年会費に数千円〜1万円程度、年次大会ともなれば数万円とこれまた費用がかなりかかってきます。

(例)
 ・日本獣医がん学会         :10,000円(年会費)
 ・日本獣医内科学アカデミー学術大会 :28,000円 (3日間)

正直、やや高額かなと感じますが、実際の会場にいってみると勉強熱心な獣医師で溢れかえっています。やっぱり動物やこの仕事が好きで時間もお金も捧げる覚悟がないとなかなか続かない職業ですね。

最後に、こういった少しシビアなお金と時間のお話が、今進路を考えている学生さんの一助になれば幸いです。また、このような壁を乗り越えてでも臨床医になりたいという覚悟がある学生がいれば嬉しい限りです。

長谷川先生のポイントをまとめると…

◯臨床医・公務員・企業など給与形態は様々
◯自分のライフスタイルに合わせた職場選びが大切
◯臨床医はスキルアップするのにお金がかかる

皆さん、いかがだったでしょうか?
お金だけに左右されることなく、自分の将来像を考えながらじっくりと職場選びを行う必要性がわかるコラムでした!
それでは、また次回お会いしましょう!!