今回は馬業界における獣医師の就職先としてどんなものがあるのか、前回に引き続きOさんにお話を伺ってみました!

 

 

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第2回 ー 馬業界における獣医師の就職先 ー

 この限りではないと思いますが、私が思う獣医学生が馬業界に就職する上で知っておくべきメジャーな組織について紹介していきたいと思います。

  1. JRA
  2. NAR
  3. 地方競馬場の組合獣医師
  4. JBBA
  5. 牧場専属獣医師
  6. 開業している診療所
  7. NOSAIみなみ

  1. JRA

・JRAは ” 特殊法人 ”
 JRAは政府(農林水産省)監督の特殊法人です。特殊法人は、JRAの他にNHKが有名です。競馬法に基づき、日本における競馬(中央競馬)を実施することができる唯一の組織です。

・一般的な就活は新卒のみ
 JRAの獣医職は新卒の募集しかありません。獣医師免許を持つ院卒(博士課程)の方の募集もHPに書いてあります。

・入会1年目はトレーニング・センターに配属されることが多い
 トレーニング・センター(トレセン)というのは競走馬の調教や管理を行う施設です。JRAのトレセンは美浦(茨城県)と栗東(滋賀県)の2ヶ所あり、新卒で入会した後、1年目はどちらかのトレセンに配属されることが多いそうです。

・転勤と出張が多い
 獣医職は、全国の事業所に配属されるので転勤が多いです。また、土日や祝日の競馬開催業務があるので出張もあります。

・獣医職の他にも事務職と技術職(建築・設備・土木)がある
 JRAは他の職種の方も同期になるので、相談できるような友達もできますし、出会いもあると思います。競馬が好きな人が多いので、競馬に関して熱く語り合うことや自分が知らないことを教えてくれる学びもあるので、良い環境だと個人的には思います。

・臨床・研究・事務・防疫など様々な経験
 臨床はもちろんのこと、JRAには競走馬の研究施設もあるので、そのような研究機関に配属される可能性もあります。また、本部(六本木)での勤務や防疫に携わる仕事もあるため、裏を返せば多様な仕事をこなす能力が求められます。

・待遇
 マイナビやJRAのリクルートサイトに募集概要が掲載されているので確認してみると良いと思います。

2. NAR

・NARは地方競馬を統括する組織
 地方公共団体によって主催される、全国12の都道府県で実施されている地方競馬を管理・統括する地方共同法人です。競馬法に基づき日本における競馬(地方競馬)を実施することができる。馬の改良増殖・その他畜産の振興に資することを目的としています。

・獣医職の採用はない
 JRAとは違い獣医職としての採用はない(総合職扱い)ため、倍率は高いと考えられます。

・転勤なし
 転勤がないため(あっても栃木県の地方競馬教養センター)、退職まで本部(六本木)勤務になるそうです。

・出張
 開催業務があるため出張はあります。

・臨床はほとんど経験出来ない
 獣医師としての知識を生かして働くことは可能ですが、臨床獣医師として働くことができないです。ただし、地方競馬教養センター(栃木県)に赴任すると臨床も経験出来るそうですが、運良く配属されるかどうかは分かりませんし、配属されても2、3年後に異動がある可能性が高いと聞きました。

・待遇
 マイナビに募集概要が掲載されているので確認してみると良いと思います。給与等は国家公務員の基準に準拠しているそうです。

3. 地方競馬の組合獣医師

・地方公務員扱い
 地方競馬の競馬場獣医師は、地方公務員として採用されます。ただし、都道府県庁が募集している獣医職の地方公務員獣医師とは、また異なる選考なので注意が必要です。

・勤務先
 勤務場所は各都道府県の競馬場です。目指す県によって勤務先が異なります。

・臨床を経験できる
 馬の臨床に携わる事が出来ます。県にもよるかもしれませんが、競馬開催における獣医業務がメインとなるそうです。

・就活方法
 採用方法や採用時期も都道府県によって異なる(県によってはJRAやNARと併願できる)ので気になる地方競馬場があれば問い合わせをすると良いと思います。実習も交渉しだいでは受け入れて頂けるかもしれません。また、募集がHPに掲載されていない年度でも、個別に採用を行なっている事例を聞いたことがあるので諦めずに一度問い合わせしてみると良いかもしれません。県によって採用試験も異なるのでやはり聞くのが一番良いですね。

・待遇
 地方公共団体によって待遇が異なる(基準は各都道府県の公務員となる)ので、必ず個別に確認して下さい。

4. JBBA

・特徴
 JBBAは内閣府管轄の公共社団法人で、種牡馬の繋養やセリ市場の支援など、軽種牡馬の生産にかかわる一連の業務を主に行っている機関です。また、競走馬の血統や成績のデータベースであるJBISを公開していることでも有名です。

・獣医職の職務内容
 全国3か所(北海道・青森・鹿児島)に展開する種馬場に繁養されている種牡馬の、衛生的な飼養管理及び種付事業を中心とした専門的な業務を行います。軽種馬に関わる防疫衛生業務、軽種馬全体に関する調査・研究などがあります。

・勤務先
 北海道(新ひだか町)、青森県(七戸町)、鹿児島県(大崎町)、東京都(新橋)のいずれかになります。

・繁忙期
 馬は季節繁殖性なので、時期によって忙しさが異なる(春は忙しい)と聞きました。

・待遇
 JBBAのホームページから獣医職の採用情報が閲覧できるので確認してみてください。

5. 牧場専属獣医師

・特徴
 大手の牧場であれば獣医師を採用しているところもあります。また、牧場によって忙しさや求められる技術・得られる経験・待遇が異なります。社代ファームや追分ファーム、ノーザンファームなどが有名ですが、時期や年度によって様々だと思うので、確認が必要になると思います。

・就活、待遇
 獣医職の募集があるかどうか問い合わせをしてみてください。また、インターンを実施しているところがあるので、実際に話を聞いてみて自分に合った就労環境かどうか判断してください。

6. 開業診療所

・特徴
 ○○エクワイン、JRAの施設内(トレセン)での開業医などがあります。会社によって待遇や忙しさ、やっていることが異なります。

7. NOSAIみなみ

・特徴
 NOSAIなので牛も扱うことがあります。また、馬を診れる日高支部に配属されるとは限らないそうです。


 以上の話は、就活仲間から聞いた話や、実習や学会に行った際に先生方から聞いた話も参考に紹介しています。また、実際に実習に行ったり、就活や内定を頂いた組織に情報が偏っているかもしれません。なので一番理想なのは、気になる組織があれば一度問い合わせをして実習に行き、実際に自分自身で見聞きすることだと思います。馬業界に限らず、熱心な志を持っている学生を拒むようなところはないと思います。獣医師は他の職種と違って、何日間か職業体験が出来る点が素晴らしいところだと思っています。その利点を生かして欲しいと思います。

 就活する上で、そもそもどういった組織が馬の獣医師を目指す人の就職先として存在するのか、分からない方が多いと思います。自分もそうでした。低学年のうちからその ” 存在 ” を知っておくことで将来の自分の選択肢を増やし、学生生活をより豊かなものに出来るきっかけになれば良いなと思っています。

そして、出来れば、馬業界に興味を持って頂ければ非常に嬉しく思います。

今回は ”馬の獣医師” として働くための職種について教えて頂きました。私も聞いたことない団体もあり、獣医師には様々な職種があることを改めて実感できました!

次回はJRAへの就職について詳しくお話を伺いたいと思います、お楽しみに!


画像提供:ヴェルサイユファーム(http://versailles-farm.com